CIGREの概要

1. CIGREの生い立ち

 CIGRE(国際大電力システム会議)は民間の非営利団体で、1921年にフランスのJean T. Laspiere氏によって設立された。

 電気の利用が活発になるにつれて、電気関係の標準を決めることが大切になり、1906年にIECが設立されたが、日進月歩の送変電技術について技術的問題検討のために IECから独立してCIGREが作られた。IECが電気に関する標準を定めるところであるのに対しCIGREは多様性に富んだ送変電に関する技術問題を討議するところである。

 CIGREのカバーする領域は、一方では水力・火力発電所、送電線、ケーブルおよび変電所高電圧機器の技術であり、他方では送電および系統連系システムの開発である。 システムの保護、遠方制御、通信機器に関する問題もCIGREで取り扱う。

Jean T. Laspiere氏

CIGREを設立したJean T. Laspiere氏

2. CIGREの活動

 CIGREは西暦の偶数年にパリ大会を開催する。ここで扱われるテーマは総ての技術分野であり、毎回70ヵ国以上から3,000名弱が参加し、200以上の論文が討議 されている。1994年からはCIGRE EXPOという展示会が併設され、製品やシステムの展示・デモによって、世界的有力企業の活動の一端を知ることができ、交流の活性化に貢献 する場となっている。更に、特別なトピックスは、シンポジウムで取り扱われる。通常、西暦の奇数年に2回開催され、出席者数は300人程度である。

 技術的な活動は、16の技術委員会(Study Committee : SC)によって行われる。各SCの仕事は各分野の技術進歩に貢献するように、検討課題の設定・調整・ 推進を行い、パリ大会に参加し大会で討議する優先議題を選定しなければならない。各SCのメンバーは24名の著名なエキスパートであり、CIGRE本部から任命される。 任期は6年間であるが、必要により2年の延長が認められている。また、特定のトピックス研究のために、ワーキンググループ(WG)が構成される。

 CIGREでは、仏英併記の技術誌ELECTRA(創刊1931年)を2ヶ月に1回発行し、情報を提供している。また、1968年からの出版物を掲載するテクニカルライブラリ e-cigreが2006年末から運用開始している。

3. CIGREの運営組織

 CIGRE会員数  団体会員(教育機関会員を含む):1137 個人会員(若手会員827を含む):6,360 (2012年末現在)

 会員はCIGREの活動に特定機関の代表としてではなく個人ベ-スで参加する。2年毎の総会(パリ大会)においてCIGREの決算・予算が審議される。総会は理事会メンバー を選出し、年会費を決定する。60人程度からなる理事会は、会長・財務担当役員・技術委員長を選出し、執行委員(12人)を指名する。CIGREの会長は理事会および 執行委員会の議長となる。執行委員会は理事会の諮問機関であり、CIGREのあり方に関して技術的および管理上の主要課題を調査し、理事会に将来の検討課題を提案する。 各SC委員長で構成される技術委員会は16のSC活動およびパリ大会グル-プ討議の効率的な運営を図る。

■ 本部組織等

 CIGRE本部事務所は日常の管理業務を行う。本部事務所の責任者は事務総長で、理事会により任命される。事務総長の業務は、定例業務、各国国内委員会および 国内委員会の無い国のメンバーとの連絡業務、SCとの連絡業務とSC活動に関する報告、他の国際組織との連絡業務、機関誌ELECTRAの発行と配布、理事会・執行委員会・ 技術委員会の準備と議事録の作成、パリ大会の運営(論文募集・大会報告の発行)、CIGREシンポジウムの運営と開催国との調整、広報活動等である。

 本部事務所はCIGRE発祥の地であるフランスのパリに置かれている。所在地:21-rue d'Artois - 75008 Paris

■ 国内委員会

 CIGREの活動を世界的に進めるため、一定の条件を満たしているところでは国内委員会を設けている。ただし、CIGREの基本理念はナショナリズムが顔を出すことを強く 戒めており、国内委員会を持たない国の参加者でも平等に個人ベースで討議を行うという伝統がある。(国内委員会の内訳はCIGREホームページ National Committeesを参照)各国内委員会は全てのメンバーと本部との間にあり、会費納入、論文の選択と提出、 パリ大会登録の取りまとめやシンポジウムの情報連絡等、組織の運営に関わる一切の管理業務を行う。さらに、国内委員会は広報活動、リージョナルミーティングの組織化 も行う。SCの候補は国内委員会を通じて連絡され、これによって技術的な活動に参加ができる。

■ 組織図

組織図

CIGREの組織

■ 本部役員(2012年末現在)

 会長(President of CIGRE):FRÖHLICH Klaus(Switzerland)

 技術委員長(Chairman of TC):WALDRON Mark Andrew(United Kingdom)

 財務担当役員(Treasurer):BEVAN Richard(Australia)

 事務総長(Secretary General):MESLIER François(France)

4. CIGREの特徴

5. CIGREの役割と功績

 CIGREは送変電技術に関する諸問題、なかでも新しく生まれた技術の利害得失を討議するのが大きな目的であり、特定の事柄を決めたり特定の行動をとることを目的と してはいないが、70年に及ぶ間に果たしてきた役割は非常に大きい。

6. CIGREの活動と日本の貢献

 わが国は1921年の第1回大会に渋沢元治先生、西健先生が参加されたのを始めとして、積極的に参加、活動をしている。この間、CIGREに携わった諸先輩の努力により、 わが国の電気事業・産業の国際化は大いに推進されてきた。また近年のパリ大会における日本の採択論文数は各国の中でもトップクラスとなっていることから伺えるように、 CIGREの場において、日本に対する期待は益々大きくなっている。今後とも、SC活動を中心に、内外のエンジニアとの技術交流を深め、更なる技術のレベルアップと グローバル化が重要な課題となっている。

第1回パリ大会出席者

1921年 第1回パリ大会出席者(最前列左端に渋沢先生、後方左から6人目に西先生が見える)

"CIGRE Master Presentation"

 パリ本部がまとめた CIGRE Master Presentation をご紹介します。

"History of CIGRE"

 2013年春に本部から"History of CIGRE II"が発行されました。
 そのうち,日本CIGRE国内委員会の執筆原稿案が こちら です。

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